荻窪(杉並)には戦前、戦後を通して多くの文化人が住んでいました。阿佐ヶ谷の文士村に影響された作家をはじめ絵画、能楽師や作曲家、作詞家などその存在は多岐にわたります。こうした、知識人の作った環境が天沼に住む人々の誇りでもあり郷土愛に通じるものです。
田河水泡 (TAGAWA Suiho)
本名高見澤仲太郎。はじめ画家を志すが生活のために新作落語の台本などを書いて講談社の大衆雑誌に発表した。 それが機となって1931(S6)講談社の「少年倶楽部」に漫画「のらくろ」を連載。擬人化された犬が犬の軍隊に入る物語で、一躍一流漫画家として遇されるようになり、「凹凸黒兵衛」などの作品を描き、 昭和10年代に大活躍をした。太平洋戦争中は軍を茶化してはならぬということで連載が打ち切られたが、戦後また近年、 テレビ化されるなど人気は衰えていない。門下に長谷川町子らがいる。 妻は評論家の小林秀雄の妹、高見澤潤子(作家、随筆家、評論家)。