荻窪(杉並)には戦前、戦後を通して多くの文化人が住んでいました。阿佐ヶ谷の文士村に影響された作家をはじめ絵画、能楽師や作曲家、作詞家などその存在は多岐にわたります。こうした、知識人の作った環境が天沼に住む人々の誇りでもあり郷土愛に通じるものです。
中野好夫(なかの よしお)
◆1903.8.2~1985.2.20◆愛媛県松山市生まれ。戦前より西荻窪に在住。◆1926年東大英文科卒。卒業後千葉県成田中学の英語教師を皮切りに中学、師範学校の教師を歴任。英米の演劇を中心に幅広い学識と緻密な分析を兼ね備えた第一級の学究者として1948年東大教授となる。1953年東大教授を退職。◆雑誌『平和』の編集長また憲法問題研究会に参加し護憲運動を推進。◆著作に『蘆花徳富健次郎』で大佛次郎賞、『中野好夫集』『沖縄文化研究』など。◆訳書に『トムソーヤの冒険』『ロミオとジュリエット』『アラビアのロレンス』『ヴェニスの商人』『二都物語』『ガリヴァー旅行記』『月と六ペンス』『アラビアンナイト』他多数。◆1982年朝日賞受賞。